ももクロ、ヒプマイ、特撮、ドレスコーズ、サ上とロ吉ほか所属アーティストが集結し、代表曲と豪華コラボ楽曲を続々披露！キングレコード「EVIL LINE RECORDS」が10周年を記念したレーベルフェスライブレポート

ももいろクローバーZ、ヒプノシスマイク、大槻ケンヂ率いるロックバンド・特撮、ドレスコーズ、サイプレス上野とロベルト吉野…といったジャンルレスな個性派アーティストが所属するキングレコード内のレーベル「EVIL LINE RECORDS」（以下、ELR）の設立10周年を記念したフェス「EVIL LINE RECORDS 10th Anniversary FES. “EVIL A LIVE” 2024」が、ゴールデンウィーク期間中の5月4日（土）、東京・有明の東京ガーデンシアターで開催された。

期待のニューカマーも含む総勢12組が出演した今回のフェスは、クリエイターチームバンド・月蝕會議がバックバンドを務めるなか、超人的シェアハウスストーリー『カリスマ』より七人のカリスマ声優（小野友樹・山中真尋・福原かつみ・細田健太・日向朔公・大河元気・橋詰知久）のステージから開幕。7人は白のスーツを身にまとい、それぞれメンバーカラーのネクタイを着用。そんな彼らのメンバーカラーのペンライトで埋め尽くされた客席の光景がスタートからとても印象的だった。

キャラクターが立った歌声とコミカルな振り付けで、「カリスマピクニック」と「カリスマジャンボリー」の2曲を披露すると、続いては、高野麻里佳・高橋李依・長久友紀からなる3人組女性声優ユニット・イヤホンズが登場。デビュー曲をリアレンジした「耳の中へ!!!」と最新アルバム「手紙」収録の「リクエスト」の2曲を披露したのだが、ロングスカートのワンピースの衣装でステージの高台で歌い踊る3人の姿は、まるで天使のようでもあり、懐かしい王道アイドル感もあり、観客を釘付けにした。

そして3組目は歌唱担当のキリンも加わり、ここまでバックバンドに徹していた月蝕會議のターンに。「Over my DEAD copy」と「Caligula syndrome」という、これぞ月蝕會議という、激しいバンドサウンドの中に高音ボーカルが冴え渡る楽曲を披露すると、この日最初のコラボ楽曲へ。

キリンが「もう1曲いいですか？　ちょっと、人数数えますね。あれ？　あと8人足りない！」と言って、七人のカリスマ声優とELRの兄弟レーベル「HEROIC LINE」所属のシンガーソングライター・小林私を呼び込むと、総勢14名でコラボ楽曲「14人のオトナ」をパフォーマンス。スカ調のリズムでスタートしたかと思いきや、童謡やパラパラまで盛り込んだパーティーチューンで、大サビではペンライトが大きく左右に振られ、この日最初の一体感が生まれる。

その後、ステージ上は14人から小林私だけに。アコースティックギター1本で「加速」を熱唱すると、さらに、「花も咲かない束の間に」というファンの間で人気の高い楽曲を歌い上げ、会場の空気をがらっと変えてステージを後にした。

続いて、6人組ダンス＆ボーカルグループ・ODDLOREがステージに登場すると、再び会場の空気が一変。それぞれがコンプレックスを抱えながらも自分と向き合い、ダンスやラップを通じてポジティブなエネルギーへと変えてゆく全力のパフォーマンスで観客を魅了。「STRUGGLE」、「Coming Dawn」の2曲で、レーベル内での存在感を十分に示したのではないだろうか。

そして、DJが奏でるビートに乗ってヒップホップバンド・SANABAGUN.のフロントマンでもある高岩遼が登場。力強い歌声と語りかけるようなラップで「I’m Prince」を披露すると、ベーシストでラッパーのNagan Serverをゲストに迎えて「MIX JUICE feat. Nagan Server」へ。高岩はショルダーキーボードを弾きながら歌い、観客を大いに沸かせた。そして最後はどこか懐かしさも感じられるようなポップなナンバー「スターダスト」を披露。全くタイプの違った3曲を歌い上げ、ソロアーティスト・高岩遼の魅力と可能性を知らしめた。

ここで、会場の空気をさらに大きく変えるアーティストが登場する。ソロアーティストのBimiだ。黄色い歓声を浴びながら登場すると、ゴリゴリのロックサウンドとラップが絡み合う「怒鈍器」を披露。続いて着物風の衣装を脱ぎ、晒（さらし）を巻いた姿で「輪 -味変-」をパフォーマンス。

会場の熱気が一気に高まると、サイプレス上野とロベルト吉野とODDLOREのKOYAとJOSHもステージに登場し、Bimiも含む3組でのコラボ曲「Chimera」へ。客席を煽りながら、代わる代わる紡がれるラップが心地良く鳴り響いた。

そして、前半最後に登場したのは志磨遼平率いるドレスコーズ。前身のバンドである毛皮のマリーズ時代から、現在もライブで歌い続けられている「ビューティフル」でスタートすると、「ELRはありとあらゆるジャンルから、キツめの人ばっかり集めています」という志磨らしい表現を交えたMCで笑いを誘い、最新曲「キラー・タンゴ」へ。さらに、「ライブハウスではあまり見たことないので、ペンライトを振ってくれ！」と客席を煽りながら、最後の曲「愛に気をつけてね」を披露。ドレスコーズのライブではお馴染みだが、曲後半でのバンドメンバー紹介とコール&レスポンスで会場が一つになったところで前半戦は終了した。

休憩を挟み後半戦1組目に登場したのは、コラボ曲でも会場を沸かせたサイプレス上野とロベルト吉野。ロベルト吉野がスクラッチなどターンテーブルプレイで会場を盛り上げると、実況アナウンサー清野茂樹のナレーションが印象的な「ぶっかます」でライブがスタート。さらに、鎮座DOPENESSをゲストに迎えての「RAW LIFE feat. 鎮座DOPENESS」へと続き、最後の曲「おもしろおかしく」では、コール＆レスポンスで一体感を演出。サイプレス上野がポーズを決めて「ピース、ワンラブ！」と締め括ると、会場から大歓声が上がった。

ヒップホップ界のベテランコンビが貫禄を見せると、日本のロックシーンを支えて来た大ベテラン、大槻ケンヂ率いるロックバンド・特撮が登場。1曲目は大槻のラップ調の歌い出しから、ヘヴィメタルへと変化する「オーバーザレインボー〜僕らは日常を取り戻す」。壮大な展開を経て、最後にステージの照明が虹色になって締めくくる演出も印象的だった。そして、「人として軸がぶれている」、「綿いっぱいの愛を！」と人気曲が続く。爆音のバンドサウンドの中に響くピアノ・三柴理のパフォーマンスが圧巻だ。

そして、大槻の「有明、いい感じだぜ。そしたら、コラボだー！」との掛け声から、この日3曲目のコラボへ。特撮✕ドレスコーズ✕イヤホンズという、ELR10周年だからこそ実現した異色のコラボ楽曲「雲雀の舌のゼリー寄せ」をパフォーマンス。大槻&志磨のボーカルとイヤホンズのボーカルの対比が何とも心地良く響いた。

そして、いよいよフェスも終盤戦。続いて登場したのは、Division Leaders（from「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」）。音楽原作キャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」の6つのディビジョンのリーダーたちが集結するというスペシャルなパフォーマンスが実現した。この6人で「UNITED EMCEEZ -Enter the HEXAGON-」と、人気曲を並べた「ヒプノシスマイク SPメドレー」を披露すると、会場のペンライトも一気に各ディビジョンのキーカラーに染まり、盛り上がりのピークを迎えた。

するここで、さらなるスペシャルな展開が待っていた。スクリーンに「VS」と表示されると、七人のカリスマ声優が再び登場。先行・カリスマ、後攻・ヒプマイという形式でラップバトルが展開されていくのだが、各メンバーのパート毎に、拍手と大歓声が上がったこの5分間は、今回のフェス全体の大きなハイライトのひとつだったと言っても過言ではないだろう。

この日一番の盛り上がりを受けて、いよいよ大トリを飾るももいろクローバーZが登場する。おなじみの「overture ～ももいろクローバーZ参上！！～」のイントロが流れ出すと、会場のペンライトはすぐさまアリーナからスタンドまで赤・黄色・ピンク・紫の4色に切り替わる。モノノフと呼ばれるファンたちも「待ってました！」とばかりにコールで盛り上げると、1曲目は「ピンキージョーンズ」でスタート。さらに、5月8日リリースのニューアルバム「イドラ」のリード曲「Heroes」へと続き、ももクロのライブでの超定番曲「走れ！ -ZZ ver.-」へ。

ペンライトを左右に振るサビのパートでは一体感が生まれ、会場中がももクロが生み出すハッピーオーラに包まれたところで、MCパートへ。メンバーの自己紹介に続き、高城がELRのレーベルヘッド・宮本純乃介に伝えたいメッセージがあると言い、「私たちももクロは、宮本さんのことが大好…ゲホッゲホッ」と咳込むと、そのまま「黒い週末」が始まる。ももクロファンにとってはおなじみの展開で会場を沸かせると、ヒプノシスマイクのリーダーたちを呼び込んで最後のコラボ曲「Cross Dimension」を初披露。ゆったりとしたリズムに乗った総勢10人のラップとボーカル、さらに全員で歌われるサビが心地良く響く多幸感あふれるナンバーだ。そして、最後は10人でヒプマイのおなじみの挨拶「ラップって楽し『C』」と、ももクロのおなじみの挨拶「以上、私たち今会えるアイドル、週末ヒロイン・ももいろクローバー『Z』」を観客と共にコール。締めの挨拶までコラボするという特別感満載のエンディングで、約4時間・全36曲という10周年を祝うフェスは幕を閉じた。

これまでのELRを支え歴史を築き上げて来たアーティストから、これからのELRを背負っていくニューカマーまで、レーベルの過去・現在・未来すべてが詰まった10周年フェス。今後、15周年、20周年のタイミングでは、レーベルと所属アーティストはどう変化と進化を続けていくのか？　ELRへの期待値がますます高まるフェスになったのではないだろうか。

Photo by：江藤はんな(SHERPA+)、大庭 元

EVIL LINE RECORDS 10th Anniversary FES.“EVIL A LIVE” 2024
開催日時：2024年5月4日（土）OPEN 16:00 / START 17:00
場所：東京ガーデンシアター
出演者：
イヤホンズ、ODDLORE、月蝕會議、小林私、サイプレス上野とロベルト吉野、七人のカリスマ声優、高岩遼、Division Leaders from ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-、特撮、ドレスコーズ、Bimi、ももいろクローバーZ（五十音順）

“EVIL A LIVE” 2024セットリストプレイリスト

ABEAM PPV ONLINE LIVEチケット
チケット購入期間：～ 5月11日（土）20:00
見逃し配信期間： ～ 5月11日（土）23:59
料金：￥5,500（税込）
チケットご購入：https://abema.app/u1h4