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KINGグルーヴ民謡名盤の配信/サブスク化シリーズ「KING MINYO GROOVE INVASION vol.3」= 江利チエミ/CHIEMI ERI SPECIAL=

KINGグルーヴ民謡名盤の配信/サブスク化シリーズ「KING MINYO GROOVE INVASION vol.3」= 江利チエミ/CHIEMI ERI SPECIAL=

「和モノAtoZ」でつとに有名な世界的DJ “DJ吉沢dynamite.jp”全面監修、選盤、選曲によるKINGグルーヴ民謡名盤の配信/サブスク化シリーズ「KING MINYO GROOVE INVASION」。
第3弾は江利チエミの民謡「極めつけの11作品」をオリジナルマスターからの最新リマスタリングにて配信。

『伝統と革新が共鳴する、民謡の新たなる地平』

現代日本の音楽シーンに一つの潮流が生まれている。それは「民謡」の再評価である。厳密にはDJ界隈をはじめ、コアな音楽ファンに人気の「洗練されたアレンジによる民謡」となるであろう。もとはと言えば私も、オーディオチェックや教材レコードのような廉価盤に収録されていたファンキーでジャジーな民謡グルーヴでそのカッコ良さを知り、探究するきっかけとなりました。と言うわけで、キングレコードと私による配信プロジェクト『KING MINYO GROOVE INVASION』(キングレコード 民謡グルーヴ 侵略)は、民謡または俗曲という古き良き伝統音楽の潜在能力を再定義する試みであります。本企画は、1950年代後半~70年代後半の当時の最先端のサウンド・プロダクション、民謡が持つプリミティヴなグルーヴ、そして多種多様なジャンルのエッセンスを融合させることで、未知なる音楽体験を創出し、世代や国境を超えた多くのリスナーに受け継がれることを意図としております。

まず特筆すべきは、企画の根幹をなす「民謡の解体と再構築」というコンセプトである。民謡は、太鼓や手拍子といったシンプルなリズムに乗って歌われることが多く、その土地固有の風土や人々の生活、感情を色濃く反映した、いわば”音の風景画”である。しかし、1950年代~70年代当時の社会においても、その魅力は時に古色蒼然としたものとして捉えられがちであったと推測される。ここでセレクトさせて頂いた楽曲群は、この伝統的な骨格を尊重しつつも、大胆なアレンジを施すことで、その奥底に眠るグルーヴと普遍的なメロディを顕在化させている。例えば、ソーラン節の力強い節回しがジャズ、ラテン、ロック、時に重厚なビートやファンキーでタイトなベースラインと絡み合うことで、原始的なエネルギーがより一層増幅され、身体を揺さぶるダンス・ミュージックへと昇華される。これは、伝統音楽が持つ「踊り」という根源的な要素を当時の現代的なアレンジで再解釈した結果であり、老若男女を問わず本能的に楽しめる音楽を創り出すことに成功したと言えよう。

次に、本企画でセレクトされたアーティストたちの多岐にわたる顔ぶれも実に興味深い。ジャズやオーケストラ界隈のアレンジャーから、昭和歌謡やポップス界隈で人気の歌手やグループ、メンフィス出身の黒人のファンク・バンドに至るまで、正調な民謡界隈の人らとは異なるフィールドで活躍する才能が集結したことで、民謡という共通の素材から多種多様な音楽的アプローチが生まれた。それぞれのアーティストが、自身の音楽的ルーツや哲学を民謡に持ち込むことで、誰も聴いたことのない新しいサウンドが誕生したのだ。例えば、伝統的な楽曲に浮遊感のあるシンセサイザーが重なることで、スペーシーであったり幻想的な世界観が構築されたり、三味線の鋭い音色をロックギターで表現し、ダイナミックでアグレッシブな楽曲が生まれたりと、ジャンルの垣根を超えた化学反応が起こっていた。これは、音楽の多様性が尊重される現代においても、新しい価値観を生み出すための理想的なコラボレーション・モデルを提示したと言える。

さらに、本企画が持つ「文化的侵略(INVASION)」というネーミング。これは単に既存のリスナーに民謡を聴かせるだけでなく、民謡というジャンルに触れてこなかった若者たち、あるいは海外の音楽ファンにも積極的にアプローチしていきたい、という意思の表明であります。実際にYouTubeやSNS上では、身体で感じるグルーヴを持つ音楽に慣れ親しんでいる海外のユーザーからも「クールすぎる!」等といった称賛の声が寄せられていたり、日本の民謡が持つユニークなグルーヴや旋律が国境を超えて通用することが証明されています。これは、日本の伝統文化をグローバルに発信していく上での手がかりの一つとなるのではないでしょうか?

しかしながら、本企画の真価は単なる革新性だけでなく、民謡が持つ本質的な美しさを決して損なっていない点にあります。どんなに複雑なアレンジや先進的なサウンドが加わっても、根底には、民謡が持つ力強いコブシや、郷愁を誘う旋律、そして日本の風土に根ざした情緒が息づいている。これは、民謡という伝統芸能に対する深い敬意と理解があって初めて成し得ることであり、当時の制作に携わった全ての人々の民謡への愛が結晶化した結果と言えるであろう。

『KING MINYO GROOVE INVASION』は、民謡が過去の遺物ではなく、常に進化し続けている生きた芸術であること。そして、伝統と革新は決して相反するものではなく、互いに影響し合い共鳴し合うことで、より豊かな音楽的土壌を育むことができるという、日本民謡の新たなる視点や思考のきっかけをリスナーの皆さんに感じて頂けたらと思います。Minyo is still alive !
※一部、民謡楽曲を取り上げていない作品も含まれていますが、本企画との類似性や独創性を鑑みてセレクトされています。

2025年9月
DJ吉沢dynamite.jp

KING MINYO GROOVE INVASION playlist vol.3/CHIEMI ERI

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KING MINYO GROOVE INVASION vol.3_playlist3画像
大ヒット中ディスコグラフィ書籍「和モノAtoZ」著作者で有名なビッグネームDJ、”DJ吉沢dynamite.jp”監修、選曲によるKINGグルーヴ民謡名盤のサブスク/配信化シリーズ「KING MINYO GROOVE INVASION」がスタート、プレイリスト第3弾は江利チエミ民謡グルーヴ特集。全世界の好奇心旺盛な音楽リスナーに向けて「MINYO」がますます躍動する。
selected by DJ吉沢Dynamite.jp
URL: http://lnk.to/kmgi_pl_3

KING MINYO GROOVE INVASION vol.3/ CHIEMI ERI’s BIO
URL: https://bio.to/KMGI_vol.3

vol.3/江利チエミ(民謡作品) LINEUP

【全作品、オリジナルマスターからの最新リマスタリング音源】

チエミの民謡集 / 江利チエミ= 東京キューバン・ボーイズ= 見砂直照 1958年作品
KING MINYO GROOVE INVASION vol.3「チエミの民謡集」ジャケット写真
配信サービス先リンク:http://lnk.to/ce_minyo_1
『民謡集』シリーズの記念すべき第1作。当時のトップ・ラテンバンドである東京キューバン・ボーイズとの共演により、日本民謡を本格的なラテン・リズムに乗せて歌い上げた本作。バイヨンのリズムにアレンジされ、後半にチエミの歌とタップダンサーの中野ブラザーズによるタップ・ブレイクの掛け合いが斬新な「おてもやん」。そしてDJ諸氏に人気であるロックンロールがかったマンボに仕上がった「相馬盆唄」が聴きどころ。民謡にジャズやラテンの要素を取り入れた革命的なアルバムである。
1.おてもやん
2.五木の子守唄
3.黒田節
4.相馬盆唄
5.木曾節
6.串本節
7.三階節
8.さのさ

北から南から «チエミの民謡集 第2集» / 江利チエミ 1959年作品
KING MINYO GROOVE INVASION vol.3「北から南から」ジャケット写真
配信サービス先リンク:http://lnk.to/ce_minyo_2
前作の成功を受け、日本全国の民謡を幅広く選曲。キング・シンフォネット(ラテンリズムは山田たかしとトロピカル・メロディアンズ)によるラテン・ジャズを基調としつつも、より多彩なリズムとアレンジで民謡の持つ多様な表情を引き出している。江利チエミ本人も特にお気に入りだというラテン・グルーヴ3曲「そうらん節」「阿里屋ユンタ」「八木節」を私も推します。
1.木遣くずし
2.ひえつき節
3.そうらん節
4.新相馬節
5.阿里屋ユンタ
6.よさこい節
7.ちゃっきり節
8.八木節

チエミのムード民謡 «チエミの民謡集 第3集» / 江利チエミ 1960年作品
KING MINYO GROOVE INVASION vol.3「チエミのムード民謡」ジャケット写真

配信サービス先リンク:http://lnk.to/ce_minyo_3
ジャケットは奴さんに扮したチエミさん。前作より趣向を変えてお座敷ムード路線な選曲で、ラテン要素に加えムード・ミュージック的な要素を民謡に取り入れた作品です。中村八大トリオ・ウィズ・ストリングスによるジャズ/スカ系DJに人気の「奴さん」。見砂直照と東京キューバン・ボーイズによる「おこさ節」と「金毘羅船々」。与田輝雄とシックス・レモンズ・ウィズ・ストリングスによるバイヨンなアレンジの「花笠踊り」がグルーヴしてます。
1.奴さん
2.深川くずし
3.箱根八里
4.おこさ節
5.花笠踊り
6.ダンチョネ節
7.しののめ節
8.金毘羅船々

チエミの都々逸 «チエミの民謡集 第4集» / 江利チエミ 1962年作品
KING MINYO GROOVE INVASION vol.3「チエミの都々逸」ジャケット写真

配信サービス先リンク:http://lnk.to/ce_minyo_4
民謡に加え「都々逸」などの俗曲(大衆歌曲)にも対象を広げたアルバム。なかでも、山屋清アレンジの原信夫とシャープス&フラッツによるヘンリー・マンシーニ「Peter Gunn」のリフのようなビッグバンド・ジャズ「真室川音頭」が素晴らしい。他には、宮川泰アレンジのキング・シンフォネットによるドドンパ調の「常磐炭鉱節」など。
1.チエミの都々逸
2.常磐炭鉱節
3.斉太郎ぶし
4.真室川音頭
5.おいとこそうだよ
6.田原坂
7.鹿児島おはら節
8.佐渡おけさ

正調チエミ節 «チエミの民謡集 第5集» / 江利チエミ 1964年作品
KING MINYO GROOVE INVASION vol.3「正調チエミ節」ジャケット写真

配信サービス先リンク:http://lnk.to/ce_minyo_5
”正調”と銘打たれているが伴奏が和楽器のみになった訳ではなく、全体的にはキング・シンフォネットによる演奏の統制の下にあるモダンなアレンジとなっている。ゆったり優雅なスロー・マンボ「伊那節」、パーカッションと時折挿入される和太鼓が効果的な「安来節」。そして北海道民謡の中ではマイナーではあるが、山形民謡「真室川音頭」のルーツとなったと言われている「ナット節」はラテン・スウィングな出来栄えで、個人的にはアルバムの中で一番好みです。
1.大漁節
2.伊那節
3.草津節
4.新土佐節
5.安来節
6.串本節
7.炭坑節
8.ナット節

チエミの民謡ハイライツ / 江利チエミ 1962年作品
KING MINYO GROOVE INVASION vol.3「チエミの民謡ハイライツ」ジャケット写真

※当作品の収録音源はすべて同時配信作品「チエミの民謡デラックス 第二集」と同一音源です、予めご了承ください。
配信サービス先リンク:http://lnk.to/ce_hl_1
1962年というリリース時期は、江利チエミの民謡集シリーズが第1集(1958年)、第2集(1959年)、第3集(1960年)と順調に展開し、その間に第4集『チエミの都々逸』という変化球も発表された直後。これまでに発表された楽曲からのベスト盤的な役割ではあるが、「深川くずし」と「奴さん」の2曲以外、これまでの楽曲と微妙に違ったアレンジが施されており全て新録と思われる。
1.木曾節
2.ちゃっきり節
3.八木節
4.黒田節
5.阿里屋ユンタ
6.深川くずし
7.五木の子守唄
8.ソーラン節
9.新相馬節
10.相馬盆唄
11.木遣くずし
12.奴さん

チエミの民謡ハイライツ 第2集 / 江利チエミ 1965年作品
KING MINYO GROOVE INVASION vol.3「チエミの民謡ハイライツVOL.2」ジャケット写真

配信サービス先リンク:http://lnk.to/ce_hl_2
ベスト盤的役割の続編。民謡集の第2集、第3集、第4集からのセレクトが基本となっているが、キング・シンフォネットによる「おてもやん」と「三階節」、そして原信夫とシャープス&フラッツによる「さのさ」が既発とは違う新録ヴァージョンとなっている。なかでも『チエミの民謡集』での東京キューバン・ボーイズのヴァージョンとは違うジャズ・ボサなアレンジの「おてもやん」、オスカー・ブラウンJr.「Work Song」を彷彿させる「三階節」がオススメ。その後の『チエミのすべて』や『民謡デラックス』への布石となったベストセレクション。
1.おてもやん
2.しののめ節
3.鹿児島おはら節
4.佐渡おけさ
5.田原坂
6.おこさ節
7.三階節
8.常磐炭坑節
9.齋太郎節
10.真室川音頭
11.ダンチョネ節
12.さのさ

チエミのすべてVOL.1~”テネシー”から”新さのさ”まで / 江利チエミ 1966年作品
KING MINYO GROOVE INVASION vol.3「チエミのすべてVOL.1」ジャケット写真

配信サービス先リンク:http://lnk.to/ce_subete_1
洋楽と邦楽/民謡という、江利チエミの音楽性の両極端を並列した和洋折衷の独自のグルーヴが楽しめる、デビューから当時までの集大成。民謡グルーヴのテーマからは逸れるが「カム・オンナ・マイ・ハウス」は江利チエミの中で一番DJプレイした曲であります。
1.テネシー・ワルツ
2.カム・オンナ・マイ・ハウス
3.ガイ・イズ・ア・ガイ
4.アンナ
5.霧のロンドン・ブリッジ
6.スワニー
7.ババルー
8.新妻に捧げる歌
9.踊り明かして
10.ショウほど素敵な商売はない
11.芸者音頭
12.新さのさ

チエミのすべてVOL.2~チエミの民謡集 / 江利チエミ 1966年作品
KING MINYO GROOVE INVASION vol.3「チエミのすべてVOL.2」ジャケット写真

配信サービス先リンク:http://lnk.to/ce_subete_2
こちらは上記のVol.1との2枚組LPでリリースされました。内容は『チエミの民謡ハイライツ』と『チエミの民謡ハイライツ 第2集』からの編集盤となりますが、ドドンパ調に仕上がった「串本節」のみレオン・サンフォニエット演奏の新録ヴァージョンとなっています。
1.常磐炭鉱節
2.五木の子守唄
3.八木節
4.阿里屋ユンタ
5.ソーラン節
6.奴さん
7.おてもやん
8.木曽節
9.串本節
10.真室川音頭
11.田原坂
12.鹿児島おはら節

チエミの民謡デラックス / 江利チエミ 1968年作品
KING MINYO GROOVE INVASION vol.3「チエミの民謡デラックス」ジャケット写真

配信サービス先リンク:http://lnk.to/ce_deluxe_1
モダン民謡を始めてから10年が経過し円熟期を迎えた本作。前々年(1966年)にリリースされた『チエミのすべてVOL.2』がそれまでの曲をまとめたベスト盤だったのに対し、『デラックス』は「鹿児島小原節」「伊那節」「おてもやん」の3曲以外は再録音されており、それまでにカヴァーされていなかった新しい民謡のレパートリーが含まれている。その再録音のなかではキング・サンフォニエットによる「伊勢音頭」「会津磐梯山」が勢いがあって特にカッコ良く、他にはストリングス・クバーノによる「八木節」が既発のどのヴァージョンよりもダンサブルである。
1.常磐炭坑節
2.田原坂
3.新土佐節
4.草津節
5.大漁節
6.鹿児島小原節
7.おてもやん
8.伊勢音頭
9.伊那節
10.会津磐梯山
11.八木節
12.木曽節
13.名古屋甚句
14.東雲節

チエミの民謡デラックス 第二集 / 江利チエミ 1969年作品
KING MINYO GROOVE INVASION vol.3「チエミの民謡デラックス第二集」ジャケット写真

※当作品の収録音源はすべて同時配信作品「チエミの民謡ハイライツ」と同一音源です、予めご了承ください。
配信サービス先リンク:http://lnk.to/ce_deluxe_2
前作「チエミの民謡デラックス』の続編ではあるが、こちらは1962年にリリースされた『チエミの民謡ハイライツ』と同じ内容。ではあるのだが・・・「マスターテープの当時残されたメモを解読してもらったところ、ハイライツを1962年にリリースしたのち、B面分の6曲のLRのステレオ位相がセンターずれを起こしていることがわかり、1969年にミックスを微調整して再リリースされた」という経緯があるようです。音質改善盤となるようですが、このサブスク音源からはあまり違いを感じ取れませんでしたのでアナログプレスでの問題かも知れません。
1.木曾節
2.ちゃっきり節
3.八木節
4.黒田節
5.阿里屋ユンタ
6.深川くずし
7.五木の子守唄
8.ソーラン節
9.新相馬節
10.相馬盆唄
11.木遣くずし
12.奴さん

上各作品解説執筆 : DJ吉沢dynamite.jp

江利チエミ民謡関連作品/絶賛サブスク/配信中!!

黒髪 / 江利チエミ 1974年作品
1.黒髪[地唄]
2.奴さん[俗曲]
3.黒田節[福岡県民謡]
4.宮津節[京都府民謡]
5.鯨唄[和歌山県民謡]
6.デカンショ節[兵庫県民謡]
7.秩父音頭[埼玉県民謡]
8.新相馬節[福島県民謡]
9.八木節[群馬県民謡]
10.こんぴら舟ふね[香川県民謡]
11.鹿児島小原節[鹿児島県民謡]
12.刈干切唄[宮崎県民謡]

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