ヒプマイ初のEPはソロやディビジョンの垣根を取っ払った新機軸/『The Block Party -HOMIEs-』『The Block Party -HOODs-』
ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-初となるEP『The Block Party -HOMIEs-』 と『The Block Party -HOODs-』が2タイトル同時にリリースされた。
『-HOMIEs-』『-HOODs-』ともに、DISC1に新録7曲・DISC2に新ドラマトラックを収録した2枚組で、制作陣にはビッケブランカ、前山田健一、DJ KOO、Base Ball Bearの小出祐介、石崎ひゅーい、m.c.A・Tなど錚々たるアーティストが参加、キャラクターたちの新たな一面を開花させた。
『The Block Party -HOMIEs-』
後述にもあるとおり、『-HOMIEs-』と『-HOODs-』に収録される楽曲は、ヒプノシスマイクが使用できなくなり第3回ディビジョン・ラップバトルが中止に追い込まれた後のストーリーを土台としている。そのためソロやディビジョンの垣根を超えた組み合わせ、HIP HOP以外のジャンルなど、これまでの作品では見られなかったバラエティに富む楽曲が並ぶ。まずは『-HOMIEs-』の収録曲を1つずつ紹介していこう。
M1「Rivals!」
〈作詞・作曲・編曲:ビッケブランカ〉
歌唱はFling Posseの有栖川帝統(CV:野津山幸宏)と麻天狼の観音坂独歩(CV:伊東健人)。ビッケブランカの特徴のひとつともいえるピアノアレンジと軽妙なフロウが見事なハーモニーを奏でる一曲。ギャンブル狂の帝統と社畜で悲嘆主義者な独歩の“常にギリギリを生きる人生観”を投影したリリックながら、ポップなメロディーと2人の陽気なフロウとが合わさることで一貫してポジティブな印象を残すところが、バラード・J-POP・ハードロック・そしてもちろんHIP HOPなど多岐にわたるジャンルを手掛けるビッケブランカの手腕が見て取れる。楽曲タイトルでありテーマでもある「ライバル」を象徴する締めくくりの歌詞「共に笑おう その日までは Rivals! Rivals!」を耳にした瞬間、帝統と独歩が笑い合うシーンが思い浮かぶはずだ。
M2「毎度!生きたろかい! ~OSAKA Big Up~」
〈作詞:大西ユカリ・銀シャリ / 作曲:新宮虎児 / 編曲:Kozzy Iwakawa〉
歌唱はどついたれ本舗の白膠木簓(CV:岩崎諒太)と躑躅森盧笙(CV:河西健吾)の元お笑いコンビ。簓がボケ、盧笙がツッコミを担い、関西弁のしゃべくり漫才と歌謡曲とが交互に行き交う他に類のない一曲。Drama Trackでは簓と盧笙が久々に漫才を披露することになるが、ブランクを感じさせないボケとツッコミの応酬を聞くうちに「あれ? 漫才とHIP HOPって何か違うんだっけ?」と、この曲がもつ不思議な魅力にいつの間にか魅了されていく。これも作詞を手掛けた大阪府出身の歌手・大西ユカリとお笑いコンビ・銀シャリのなせる技。
M3「Get busy」
〈作詞・作曲:KENTA(WANIMA) / 編曲:WANIMA〉
歌唱はBad Ass Templeの波羅夷空却(CV:葉山翔太)とBuster Bros!!!の山田二郎(CV:石谷春貴)。荒々しく攻撃的なラップが特徴の空却と、葛藤を経て成長した二郎の吹っ切れ具合がシンクロする、『-HOMIEs-』では数少ないフロウ全開の夏曲。歌詞に夏を連想させるワードを盛り込むセンスや、たたみ掛ける言葉運びの妙は、KENTA(WANIMA)が作詞・作曲を手掛けたと聞けば納得のアゲアゲな一曲。
M4「夢の彼方」
〈作詞・作曲:Eve / 編曲:Numa〉
歌唱はFling Posseの夢野幻太郎(CV:斉藤壮馬)、作詞・作曲はアニメ『呪術廻戦』のOPテーマ「廻廻奇譚」で知られるEve。ムーディーな路線は夢野幻太郎というミステリアスな人間に焦点を当てた『Fling Posse -Before The 2nd D.R.B-』に収録の「蕚」〈作詞:basho・ESME MORI / 作曲・編曲:ESME MORI)を継承しながらも、本曲では「信じられるのは君だけだわ」「またどこかへ隠れてしまったわ」と女性の視点を思わせる歌詞が聞く者を翻弄する。呼吸をするように噓を吐く幻太郎の“叶わぬ夢”を描いているのか、はたまた小説家である彼らしい言葉遊びなのか。リスナーは「蕚」に続いて、歌詞の解釈に戸惑うことになるだろう。
M5「Move Your Body Till You Die!」
〈作詞:前山田健一・DJ KOO / 作曲・編曲:前山田健一 〉
歌唱はMAD TRIGGER CREWの毒島メイソン理鶯(CV:神尾晋一郎) with HOMIEs。『MAD TRIGGER CREW -Before The 2nd D.R.B-』に収録された理鶯のソロ曲「2DIE4」〈作詞・作曲・編曲:ELIONE)では元海軍の彼らしく鍛え抜かれた肉体と不屈の精神を描いたが、何と今作では「RIO’s Boot Camp」を舞台とするワークアウトミュージックを前山田健一とDJ KOOが手掛けたというから、そのギャップに驚かされる。クラブミュージックのビートと「光の速さよりも速く!」「地球を一周二周…百周だ!」と脳筋な歌詞が不思議と調和し、聞いているうちに自然と体を動かしたくなってくることだろう。なお「HOMIEs」とは「家族のような仲間、地元の仲間」を意味し、所々で挟まれる合いの手や曲の終盤でその正体が明らかになる。「Survival Sensation!」「BE TOGETHER!」「時間の彼方へ弾ける Do Dance!」というDJ KOOと縁の深いフレーズにも注目の一曲だ。
M6「HIPHOPPIA」
〈作詞:好良瓶太郎 / 作曲:MURO・SUI / 編曲:SUI〉
歌唱はBuster Bros!!!の山田一郎(CV:木村昴)。『Buster Bros!!! -Before The 2nd D.R.B-』に収録の「Break the wall」〈作詞:好良瓶太郎 / 作曲:西寺郷太 / 編曲:西寺郷太・冨田謙)以来となるソロで、曲調・テンポ・言葉運びがエミネムの「Lose Yourself」(映画『8 Mile』の)を連想させながらも、作詞の好良瓶太郎こと木村昴のリリックと一郎のフロウ、そして日本のHIP HOP界を代表するDJ MUROと、その片腕として数多くのHIP HOPやR&B作品を手掛けてきたSUIによる作曲が、この曲を唯一無二のHIP HOPに昇華させている。ユートピアへの渇望をテーマとする「Break the wall」が軽妙なファンク調だったのに対し、「HIPHOPPIA」は同じテーマをなぞりながらも全体的に重々しいビートと逼迫感のあるフロウが展開し、やがて訪れるであろう試練に対する一郎の覚悟の重さが透けて見える。
M7「おままごと」
〈作詞・作曲:薔薇園アヴ 編曲:塚田耕司)〉
中王区の邪答院仄仄(CV:ファイルーズあい)の歌唱で、初のソロ曲。サディスティックな一面とシニカルさを投影した歌詞で構成され、高域と低域を行き来する声色が仄仄という人物の底知れなさを浮き彫りにする。それは男と女の声を自在に行き来する作詞・作曲のアヴちゃんならではのクリエイティビティーが遺憾なく発揮されている証左で、高笑いを随所に挟むあたりも、アメとムチを巧みに操る仄仄の女王様気質な一面を見事に描き出している。
Drama Track 「The Block Party -前半-」
ヒプノシスマイクが使用できなくなり、第3回ディビジョン・ラップバトルが中止に。その影響で再び暴力や略奪が横行しつつある世界を音楽フェス「The Block Party」で勇気づけようと、各ディビジョンが手を取り合い様々なジャンルの曲を披露することに。
なお、過去にリリースされたヒプノシスマイクの全ドラマトラックまとめたプレイリストが公開されており、これを聴けばヒプノシスマイクの世界をより一層堪能できるはずだ。
https://hpmi.lnk.to/drama
『The Block Party -HOODs-』
HIP HOPに漫才にと変化に富んだ『-HOMIEs-』とは打って変わって、『-HOODs-』は“HIP HOPなし”という更に攻めた構成に。その特徴を駆け足で紹介していこう。
M1「白と黒」
〈作詞・作曲:志磨遼平 / 編曲:ドレスコーズ〉
歌唱はどついたれ本舗の天谷奴零(CV:黒田崇矢)とMAD TRIGGER CREWの入間銃兎(CV:駒田航)。ドレスコーズの志磨遼平が作詞・作曲を手掛ける、オトナの渋みがにじみ出るスカ。詐欺師の零と悪徳警官の銃兎、裏社会を生き重い業を背負いながらも、それすら笑い飛ばしてしまう豪傑さが胸に響く一曲。
M2「悪魔の華」
〈作詞・作曲:HAKUEI / 編曲:tatsuo〉
歌唱はアルゴξ楽団(Bad Ass Templeの四十物十四(CV:榊原優希))。PENICILLINのHAKUEIが作詞・作曲を手掛ける、ヴィジュアル系サウンドの王道曲。これまでも十四らしい耽美な世界観の楽曲はあったものの、HIP HOPの要素が省かれた本曲では、ヴィジュアル系の特徴的なボーカルを堪能することができる。
M3「Viva la liberty」
〈作詞:TOPHAMHAT-KYO (FAKE TYPE.) / 作曲:TeddyLoid・TOPHAMHAT-KYO (FAKE TYPE.) / 編曲:TeddyLoid〉
歌唱はFling Posseの飴村乱数(CV:白井悠介)・Buster Bros!!!の山田三郎(CV:天﨑滉平)。イントロはTyziの「Drifting Apart」のオマージュかと思えば、聞き進めていくうちに言葉運びにBTSの「Dynamite」を感じさせたりと、リミックスで世界に名を馳せる作曲・編曲のTeddyLoidの手腕を垣間見ることができる。
M4「Closer」
〈作詞・作曲:小出祐介(from Base Ball Bear)/ 編曲:春野〉
歌唱は麻天狼の神宮寺寂雷(CV:速水奨)・Bad Ass Templeの天国獄(CV:竹内栄治)。中学以来の幼馴染である寂雷と獄の楽曲がついにリリース。タイトルの「Closer」は「もっと近い」を意味し、「たとえ汚れたこの両手でも あたためられるか 冷え切った体温」という歌詞からも、寂雷と獄の心に影を落とす存在を暗に感じさせる。
M5「ポジティブ my life」
〈作詞:宮田俊哉 / 作曲・編曲:月蝕會議〉
歌唱は麻天狼の伊弉冉一二三(CV:木島隆一) with HOODs。ジャニーズでも随一のアニメ好きとして知られるKis-My-Ft2の宮田俊哉が作詞を手掛ける本曲は、「ポジティブLIFEを過ごすテクニック」を教えるという一二三らしいフランクさが投影された一曲で、ゲームの効果音が散りばめられたファンシーなメロディーと相まって、ホストらしさを色濃く描いた過去のソロ曲「シャンパンゴールド」(作詞:藤森慎吾)や「パーティーを止めないで」(作詞・作曲 鬼龍院翔)とは一線を画す。
M6「燐火」
〈作詞・作曲:石崎ひゅーい / 編曲:トオミヨウ〉
歌唱はMAD TRIGGER CREWの碧棺左馬刻(CV:浅沼晋太郎)。作詞・作曲を手掛けた石崎ひゅーいによる、どこか危なっかしさすら感じさせる切ない歌詞とメロディーが曲全体を覆う。そこに壮絶な過去をへてヤクザの若頭になった左馬刻の悲哀のこもった声と、全体をリードするアコースティックギターが重なり、感傷的なムードをより一層押し広げている。
M7「Bounce Back!」
〈作詞・作曲・編曲:m.c.A・T〉
歌唱は帳残星(CV:大塚明夫)・帳残閻(CV:中尾隆聖)。一聴すれば作詞・作曲・編曲を手掛けたm.c.A・Tの代表曲「Bomb A Head!」のサンプリングだとわかるハイテンションな一曲。自分たちを悪だと豪語してはばからない帳残星・閻兄弟の豪胆さが、かえって清々しいほど。
Drama Track 「The Block Party -後半-」
飴村乱数たちが「The Block Party」の準備を進めるなか、山田一郎は夢野幻太郎・神宮寺寂雷・天国獄と組み、共にヒプノシスマイクの力を取り戻す方法を探りはじめる。やがて一郎はDivision Rap Battleの真の目的を知ることになる。そんななか、刑務所から脱獄した邪答院仄仄と帳残星・残閻兄弟がフェス会場に乱入してきて……。
6周年記念イベント『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 6th Anniversary Party』の開催&配信を9月2日に、そしてTVアニメ2期『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- Rhyme Anima+』の放送を10月にひかえ、ますます盛り上がりを見せるヒプノシスマイク。今後の展開にも目が離せない。
Information
ヒプマイ〝初〟のEP 2タイトル同時リリース
ヒプマイ〝初〟のEP 2タイトル同時リリース
「The Block Party -HOMIEs-」(KICA-3299~300)
「The Block Party –HOODs-」(KICA-3301~2)
【発売日】2023年8月23日(水)
【価格】各定価¥3,850円 (税抜価格 3,500円)
※初回製造分のみスペシャルスリーブ仕様
■「The Block Party -HOMIEs-」
DISC1(全7曲収録):
M1:「Rivals!」有栖川 帝統(CV:野津山 幸宏)&観音坂 独歩(CV:伊東 健人)
作詞・作曲・編曲:ビッケブランカ
M2:「毎度!生きたろかい!~OSAKA Big Up~」白膠木 簓(CV: 岩崎 諒太)& 躑躅森 盧笙(CV:河西 健吾)
作詞:大西ユカリ・銀シャリ 作曲:新宮虎児 編曲:Kozzy Iwakawa
M3:「Get busy」波羅夷 空却 (CV:葉山 翔太)& 山田 二郎(CV:石谷 春貴)
作詞・作曲:KENTA (WANIMA) 編曲:WANIMA
M4:「夢の彼方」夢野 幻太郎(CV:斉藤 壮馬)
作詞・作曲:Eve 編曲:Numa
M5:「Move Your Body Till You Die!」毒島 メイソン 理鶯(CV: 神尾 晋一郎)with HOMIEs
作詞:前山田健一・DJ KOO 作曲・編曲:前山田健一
M6: 「HIPHOPPIA」山田 一郎(CV:木村 昴)
作詞:好良瓶太郎 作曲:MURO・SUI 編曲:SUI
M7: 「おままごと」邪答院 仄仄(CV: ファイルーズあい)
作詞・作曲:薔薇園アヴ 編曲:塚田耕司
DISC2:Drama Track 「The Block Party -前半-」
■「The Block Party –HOODs-」
DISC1(全7曲収録):
M1:「白と黒」天谷奴 零(CV:黒田 崇矢) & 入間 銃兎(CV:駒田 航)
作詞・作曲:志磨遼平 編曲:ドレスコーズ
M2:「悪魔の華」アルゴξ楽団(CV:榊原優希)
作詞・作曲:HAKUEI 編曲:tatsuo
M3:「Viva la liberty」飴村 乱数(CV:白井 悠介)&山田 三郎(CV:天﨑 滉平)
作詞:TOPHAMHAT-KYO 作曲:TeddyLoid・TOPHAMHAT-KYO 編曲:TeddyLoid
M4:「Closer」神宮寺 寂雷(CV:速水 奨)&天国 獄(CV:竹内 栄治)
作詞・作曲:小出祐介(from Base Ball Bear) 編曲:春野
M5:「ポジティブ my life」伊弉冉 一二三(CV:木島 隆一)with HOODs
作詞:宮田俊哉 作曲・編曲:月蝕會議
M6:「燐火」碧棺 左馬刻(CV: 浅沼 晋太郎)
作詞・作曲:石崎ひゅーい 編曲:トオミヨウ
M7:「Bounce Back!」帳 残星(CV:大塚明夫)&帳 残閻(CV:中尾隆聖)
作詞・作曲・編曲:m.c.A・T
DISC2:Drama Track 「The Block Party -後半-」
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https://hpmi.lnk.to/ohm
◾️ダウンロード・ストリーミングはこちら
https://hpmi.lnk.to/tbpd
ヒプマイ6周年記念イベント開催
■タイトル:ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 6th Anniversary Party
■日時:2023年9月2日(土)開場/開演 15:30/16:30
■会場:片柳アリーナ 〒135-0063東京都大田区西蒲田5丁目23-22
※会場への直接のお問い合わせはご遠慮ください。
■出演:木村昴・石谷春貴・天﨑滉平・駒田航・白井悠介・野津山幸宏・速水奨・木島隆一・岩崎諒太・河西健吾・黒田崇矢・葉山翔太・榊原優希・竹内栄治/DJ U-ICHI
※本イベントでのキャストによる歌唱はございません。
■問い合わせ
HOT STUFF PROMOTION 050-5211-6077(平日12:00〜18:00)
https://www.red-hot.ne.jp
■ABEMA PPV ONLINE LIVE配信サイト
https://abema.tv/live-event/9e0cab1d-560c-45c9-9d89-7d22d691af92
配信日時:2023年9月2日(土) 開演16時30分〜 (開場16時〜)
見逃し配信期間:2023年9月9日(土) 23時59分まで
視聴料金:3,000円(税込)
※アプリ内の購入は、別途手数料として300円が生じます。
※チケットの購入方法については下記をよくお読みになってご購入ください。
https://help.abema.tv/hc/ja/articles/360043971551
販売期間:〜2023年9月9日(土)21時まで