超人的シェアハウスストーリー『カリスマ』 2周年イベントレポート 大歓声響く会場に、カリスマ声優が絶叫「凡人様、最高だ!」
『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』の開発・運営を手掛けるEVIL LINE RECORDSと、株式会社Dazedによる二次元キャラクタープロジェクト『カリスマ』が、2023年9月3日にイベント「祝2周年・カリスマサミット」を行った。
『カリスマ』は、YouTube「カリスマofficial Channel」で配信しているボイスドラマを主体としたプロジェクト。“七人のカリスマ”たちによる共同生活や、その延長で起きるドタバタなど、カリスマならではの非凡すぎるストーリーを描いており、凡人(※『カリスマ』ファンの総称)を大いにクラクラさせている。2023年4月からは、2ndシーズンに突入。1stシーズンで“カリスマブレイク”した7人はさらなる“ブレイク”にも到達し、順番に進化を遂げている最中だ。また、2種類のコミカライズや舞台といったメディアミックスも行われている。
そんな『カリスマ』の、1年ぶり2度目となる大イベント「カリスマサミット」は、東京・片柳アリーナで開催。前回をはるかに上回るキャパであることに加え、初の声出しOKということで、カリスマ声優も凡人もひときわテンション高く盛り上がった。
【出演者】
小野友樹(正邪のカリスマ・伊藤ふみや 役)
山中真尋(秩序のカリスマ・草薙理解 役)
福原かつみ(服従のカリスマ・本橋依央利 役)
細田健太(反発のカリスマ・猿川 慧 役)
日向朔公(内罰のカリスマ・湊 大瀬 役)
橋詰知久(性のカリスマ・天堂天彦 役)
バンド演奏:月蝕會議
地球が抱える深刻な問題に振れる、本作にふさわしい壮大なVTRで開演を告げた今回のイベント。出演者6人とテラ(声:大河元気)による『カリスマピクニック』、『カリスマ1週間』の披露で場内を朗らかにあたためると“サミット”が開幕。6人全員で地球規模の問題を話し合った。
1つ目の議案は、「反発」。細田を進行に据えて、「“反発”を退けてでも『カリスマ』でやってみたいこと」を議論した。カリスマたちにとっては夢のあるテーマに思えるが……橋詰は「絶叫マシン、もらすまで」、福原は「真冬に滝行」と、なぜかしんどいチャレンジ企画ばかりが挙がる流れに。細田は、「なんかみんな攻めてない?」と、たびたび狼狽えた。しかも、これらのチャレンジを細田一人でやることがなんとなく決定。どのチャレンジを選ぶかも本人が選ぶことになり、たまらず「ふざけんな! 全部NOだ!」と反発! そのまま『LONE WOLF』(※ワンコーラスのみ)と、『ツッパれ!生涯反発』を披露した。『ツッパれ〜』は、ダンサーとのシンクロダンスもたっぷりと。慧を演じる細田の力強いがなり声が、広い会場に響き渡り、観客の歓声や5人の生コーラスと共鳴した。
続いては「“性”の在り方が問われる今、セクシーの定義を議論せよ」との議案。橋詰主導で、リズムに乗せて自分のセクシーなところを発表していく「セクシー野球拳」が行われた。ランダムに当てられるシステムだったが、6人はそれぞれ「15kg落として、セクシーなカラダ作っちゃいました」(小野)、「ホクロの位置。どこにあるかなんて言わせないでください……」(山中)、「脱いだら意外とすごいよ?」(日向)と、テンポよく発表。笑顔で見守っていた橋詰も、自分の番になると「乳首が強いです」と暴露して観客の大歓声を受けたが、そこからなんと3連続で当たる事態に。追い詰められた橋詰は、最終兵器とも言えるワード「俺は、誰よりも歌声がセクシーーーー!」を絶叫。『VIVA LA LIBERATION』(※ワンコーラスのみ)と、『ムンラホルマオ』でその歌声を存分に聞かせ、セクシーを大開放させた。
3つ目は「教育の在り方が問われる今、世界中の子供達が歌いたくなる絵描き歌を議論せよ」という“内罰”の議案。日向が出題者となり絵描き歌を2曲聞かせたが、どちらの歌詞も子どもたちには絶対に歌わせたくない物騒なもの。歌い終わりに入る「ザクッ」というSEも不穏だ。実際、日向が事前に描いていた正解の絵は、完成度が高い故に細部まで細かく美しく描き出されていて、5人は「そうはならないよ」と総ツッコミ。しまいには山中から「(こんな絵描き歌は)絶対にダメだよ!」と注意されてしまった。すると日向は「だよね……こんな非人道的な絵描き歌なんて……」と、ショックを受けて離席。内罰を心に秘め、切ないバラード『雪解』(※ワンコーラスのみ)と、ハードなロックナンバー『Hell lazy, Psychology.』を披露した。毛色の大きく異なる2曲は、ギャップも見ものに。特に『Hell〜』は、全身から絞り出したかのような魂のシャウトが轟き、“Hellブレイク”の凄みを見せつけた。
“秩序”に関する議案は「世界中で非常識な行いが問われる今、常識とは何かを議論せよ」というもの。前出の野球拳と同様に、6人の非常識な行いをランダムで告白した。「今日カリスマサミットなのに、昨日(大好きな)ゴルフに行ってしまった」(福原)、「毎朝SNSに『おはよう』って投稿してるけど、実際は二度寝してる時がある」(細田)といった告白が挙がる中、進行を務めた山中は終盤で集中砲火を受ける羽目に。「楽屋でお弁当を食べたけど、ごちそうさまって言ってない」、「さっき、段取りを無視して座っちゃった」など、淀みなく告白していくも、なかなかターゲットから外れず困惑。わざわざ壇上まで移動しても変わらず、「こんな非常識なことがあっていいのか!」と激昂。5人を見下ろす位置から『秩序宣言』を歌唱し、観客の統率のとれたコールとともに高らかに響き渡った。
5つ目の議案は、「国際的に命令と服従の関係が問われる今、正しい“服従”の在り方を議論せよ」。「深刻な問題ですよね」と頷く福原が進行役となり、凡人に効率よく命令してもらえる、独自のコール&レスポンスを提案することになった。日向が考案した「貯金全額〜?」「寄付〜!」は、シンプルかつ大きな負荷がかかる命令。観客と実践したあと、福原は思わず「喜んで!」と返してしまうほどだった。また橋詰は、「ビンタしてくれますか〜?」「パァンッ!」というコーレスを考案。「パァンッ!」は手を叩いて表現する観客が多く、叩けば叩くほど福原が「あっ! あっ! 気持ちいい!」と興奮していた。存分に奴隷心を掻き立てられた彼は「とっておき」として、「ルーリーホーー!」のコーレスにも挑戦。見事成功を収めると、『命短し尽くせよ奴隷』を歌い上げ、議論を終えた。
合間に行われた告知コーナー「お知らせサミット」では、初出しとして2ndシーズン後半の配信開始日(10月12日)や、コミカライズの単行本情報を解禁。コミカライズは、『カリスマ〜カリスマな彼らはカリスマハウスで仮住まい中〜』第1巻が9月20日に、『カリスマ 〜きょうもへいわです〜』第1巻が12月6日にそれぞれ発売される。さらに『カリスマ〜カリスマな彼らはカリスマハウスで仮住まい中〜』第1巻の初回限定版には、オリジナルドラマトラックと、依央利&大瀬のデュエット曲『ねんねむりんりん』が同梱されることも告知され、観客を沸かせた。さらに、小野が「せっかくなんで今から歌ってもらいましょうかね!」と、しれっとリクエスト。情報解禁されたばかりの同曲を、福原と日向がフルコーラスで披露した。セリフの掛け合いも盛り込まれたミュージカルのような楽曲に、4,000人の凡人が酔いしれた。
そして、ラストの議案は「それぞれの立場により“正邪”の基準が分かれる今、改めて正と邪の在り方を議論せよ」。小野の進行で「犬と猫なら犬のほうが可愛いのは正しい」「節約と浪費なら節約のほうが正しい」といったテーマで正邪を議論した。そして、3つ目のテーマとなった「ふみやだけソロ曲を歌わないのは正しい」では、小野以外の5人が悪魔となり、逃げようとする小野をステージ中央に引っ張り出すと、無事『When The Charisma Go Marching In』(※ワンコーラスのみ)が披露されることに。さらに『Carisma Battle Anthem』は、6人のカリスマ声優(※大河は声のみ)を従えて、重厚に、熱くパフォーマンス。続けて『神の領域(リージョン)』も全員で歌唱し、カリスマのカリスマたる所以を観客に教え込んだ。歌い終えたあとも、余韻がなかなか消えない一同。何度も天に拳を掲げ、歓声を全身で浴びていた。
終盤では、大河がリモートで参加。画面越しとはいえフルメンバーで4000人の前に立ち、『おつカリスマ!忘年会』『カリスマっていいな』を歌唱した。こういった光景には、カリスマ声優も感極まった様子だ。今回のイベント内で小野は「初イベントは(観客が)体感4人くらいだった。つまり、2年で1000倍になったんです」とたびたび語っていたが、それは7人共通の思いだったのかもしれない。特に日向と橋詰は今にも涙がこぼれそうな表情で、「今日、こんなにたくさんの方々に観ていただけた。みなさんにここまで連れてきてもらえて、すごく嬉しいです」(日向)、「2年前はアウェー(のような感覚)だった。だけど2年経ってこんなに集まっていただいて……凡人様たち最高だ!」(橋詰)と、各々に素直な思いを吐露した。これを受けて小野も「橋詰さんと1時間くらい歩きながら2人で『カリスマ』のことを語り合いましたよね。この魅力を伝えるにはどうしたらいいかとか」と、ポツリ。そういった積み重ねがこの景色に繋がったことを改めて噛み締め「カリスマ声優で良かった」「次は7人で!」と伝えた。
そうして、『めちゃめちゃカリスマ』で本編を締め、「もう一回!」「同じ曲!」という、ボイスガイドに従ってのアンコールののち、『めちゃめちゃカリスマ』をもう一度披露。明るく、ゆるく最後を締めくくった。この日、地球規模の平和を愚直に考え続け、6つもの結論を導いた首脳たち。彼らのカリスマぶりには頭が下がる。
Photo:江藤はんな(SHERPA+)
文:松本まゆげ
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