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「KING Jazz RE:Generation」第5期 (富樫雅彦、菊地雅章、板橋文夫、高橋達也、尾田悟など)21作品配信開始

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キングレコードが保有する歴史上の重要ジャズカタログを余すところなくサブスク/配信化するシリーズ「KING Jazz RE:Generation」第5期(富樫雅彦、菊地雅章、板橋文夫、高橋達也、尾田悟など)21作品の配信が開始された。
配信に際し監修者尾川雄介氏コメントが寄せられている。

尾川雄介 (UNIVERSOUNDS)コメント

第5期配信化に際して

キングレコードは日本のジャズ・シーンに制作サイドから大きく貢献してきた。1956年にスタートした<キング・ジャズ・シリーズ>、1970年代のリアルな姿を捉えた<ニュー・エモーショナル・ワーク・シリーズ>、フュージョン・シーンの発展と確立に大きく寄与した<エレクトリック・バード>などは言わずもがな。さらには、第4期で特集したような、鈴木勲や小宅珠美といった特定のミュージシャンに焦点をあてた積極的な録音/制作も貴重な記録となっている。第5期では、そういったミュージシャンのひとり、富樫雅彦を大きく取り上げている。
1940年生まれの富樫は10代から新進気鋭のドラマーとして活躍し、秋吉敏子や渡辺貞夫にも重用された。1960年代の終わりからはフリージャズを前面に押し出した音楽性で新たな地平を拓くが、その矢先、脊椎に損傷を負い下半身不随となる。復帰後は独自の演奏と音楽性を徹底的に追求し、日本の、ひいては世界の前衛ジャズ界に大きな影響を与えた。その富樫の、1979年から85年にかけての12作品をキングレコードが制作した。スティーヴ・レイシーと鎬を削った『エターナル・デュオ』、ソロ・パーカッションの無限の可能性を体現した『ザ・フェイス・オブ・パーカッション』、盟友、高柳昌行との緊張感あふれる対話『パルセーション』、2枚組の大作である『アル・アラーフ』や『フォロー・ザ・ドリーム』など、いま聴いてなお色褪せることのない、創造性と独創性に満ちた楽曲が並ぶ。大袈裟ではなく、全てが傑作である。
今回のラインナップでは、1980年代半ばの板橋文夫と、1990年代初頭の菊地雅章の作品が含まれているのも嬉しい。人気、実力ともに折り紙付きのミュージシャンではあるが、ともすると見逃されがちな時期の作品である。変わらぬ本質を持ちつつ豊かな表現で聴く者を楽しませる板橋文夫。ゲイリー・ピーコック、ポール・モチアンとのトリオ、テザード・ムーン名義でスリリングな演奏を聴かせる菊地雅章。聴き応えのある作品群だ。
ハンク・ジョーンズと結成したグレイト・ジャズ・クインテットでの活動などで知られるテナー・サックス奏者、尾田悟は、1968年と1988年の作品が配信となる。グルーヴィなボサノヴァ民謡と、ハンク・ジョーンズとのデュオでのスタンダード集という対照的な2作品である。日本を代表するビッグバンドのひとつ、高橋達也率いる東京ユニオンは、デヴィッド・マシューズが編曲を手掛けた2作品を。正統派にして趣向を凝らしたサウンドで、ビッグバンド・ジャズの魅力を知らしめている。
尾川雄介 (UNIVERSOUNDS)

「KING Jazz RE:Generation PLAYLIST Vol.5 by Yusuke Ogawa」


■音楽配信はこちら:https://playlist.kingrecords.co.jp/?post_type=playlist&p=2094

配信作品詳細(SOUND FUJI):https://soundfuji.kingrecords.co.jp/column/6027/


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