恩返しを誓う決意の歌 22歳の演歌歌手・小山雄大の2ndシングル『じゃがいもの花』レビュー

2024年4月に『道南恋しや』でデビューを飾った演歌歌手・小山雄大。全国100か所でのキャンペーン開催など精力的に活動を続け、同年末には「第51回日本歌手協会 最優秀新人賞」「第66回 日本レコード大賞 新人賞」を受賞するなど、デビュー初年度から大きなインパクトを残している。そんな小山が、22歳の誕生日である3月5日に2ndシングル『じゃがいもの花』をリリースした。
1st シングルに引き続き、今回のシングルでも彼が10代の頃から師事する作曲家・弦哲也が提供した2曲が収録されている。早速彼の新曲をレビューしていこう。
M1「じゃがいもの花」
慈愛・情け深い・恩返しなど、じゃがいもの花の様々な花言葉を駆使しながら、北海道に残した最愛の母を想う青年の気持ちを爽やかに歌い上げた1曲。同じく北の大地を舞台に、夢を叶えるために故郷を飛び出した青年のノスタルジーを歌った「道南恋しや」と楽曲の方向性は近しいが、この曲では母を心配する様子や、母への恩返しのため必ず都会で成功してやるという決意が前面に押し出された歌詞となっているため、心持ちの部分は「道南恋しや」と比べるとだいぶポジティブ寄りである。そのおかげか、バックで流れる和楽器の音色も切なさよりも温かみにあふれた印象を受けることだろう。デビューから様々な経験を経てさらに磨かれた小山のマジックボイスは、歌声の力強さと繊細な表現力が自然な形で共存し、より深みが増したようにさえ感じられる。
M2「沖の島遥か」
故郷に馴染めず都会へ飛び出した男の哀愁が見事に表現された、これまでの小山の印象をガラッと変えるような寂寥感と孤独感を綴った1曲であり、「じゃがいもの花」とはまた異なる風情を感じさせる楽曲に仕上がっている。素直になった方がいい、しかし意地を張らずにはいられないという天の邪鬼な男心や、自分の弱さを見つめ直す人間臭さが薫る叙情的な言葉の数々に、我が事のように共感する人も多いことだろう。また、これまでと比べて小山の低めな歌声がフィーチャーされつつも、インパクトのあるビブラートは抑えめのため、感情を丁寧に紡ぐ小山の巧みな表現力がこれまで以上に堪能できるようになっている。22歳とは思えない情緒豊かな歌声を味わっていただきたい。
表現力と説得力がさらに高まった彼の歌声によって、演歌歌手・小山雄大の幅を一段と広げる一枚となった。忙しなく活動を続けたデビュー1年目の集大成でもあり、更なる飛躍のきっかけにもなった今回の2曲。今後長く歌い続けることで、この2曲はもちろん小山自身がどのように進化を遂げていくのか、楽しみで仕方ない。
今後もCDの発売記念キャンペーンの他に、全国の様々なコンサートに出演予定。今年も全国津々浦々に小山のマジックボイスが響き渡る。
Information
小山雄大『じゃがいもの花』
発売日:2025年3月5日
品番:KICM-31164
価格:¥1,500(税込)
【収録内容】
①「じゃがいもの花」
作詩:さわだすずこ/作曲:弦哲也/編曲:猪股義周
②「沖の島遥か」
作詩:紺野あずさ/作曲:弦哲也/編曲:猪股義周
③「じゃがいもの花」オリジナルカラオケ
④「じゃがいもの花」一般用カラオケ
⑤「沖の島遥か」オリジナルカラオケ
⑥「沖の島遥か」一般用カラオケ
CD購入:
https://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICM-31164/
ダウンロード・サブスクリプション:
https://king-records.lnk.to/Flower_of_Potato
◾️プロフィール
北海道札幌市出身。2003年3月5日生まれ。
2歳のころから、テレビで流れる氷川きよしの曲を聴いて歌い始める。
2008年、4歳の時から本格的に民謡を習い始める。
小学二年生からは三味線も弾き始める。 2009,2011,2015年には道南口説節全国大会 幼年の部、少年一部、少年二部でそれぞれ優勝。
2012,2015年には全大阪みんようジュニアフェスティバル全国大会にて第二部、第三部で優勝するなど様々な賞を受賞。
また2014年にはテレビ東京カラオケバトル 出場、2015年にはNHKのど自慢出場など、テレビ番組の出演も増える。
2016年に「NHKのど自慢」チャンピオン大会において、氷川きよしの「獅子」を歌いグランドチャンピオンに輝く。
2018年に上京し作曲家・弦哲也の元でレッスンを開始。以降歌唱力が大幅に向上。未完成ながら実力と個性を兼ね備えた唯一無二の歌手に成長を遂げる。
2024年にキングレコードより「道南恋しや」でデビュー。