「大月みやこコンサート~このひと時 今もあなたと~ 感謝を込めて…」開催

歌手・大月みやこ(79)が、22日 東京・築地の浜離宮朝日ホールで「大月みやこコンサート~このひと時 今もあなたと~感謝を込めて…」を開催した。

本公演のテーマは「昭和100年」。心の奥に残っている昭和の懐かしい風景やあの頃の生活が、大月の音楽の世界観を通して色鮮やかによみがえるような公演となった。

オープニングは三味線・太鼓を交えた和風の演奏からスタート。スクリーンには能舞台と篝火が写し出され、日本伝統文化の世界観が会場全体を包みこんだ。そして切天神(きりてんじん)のかつらと、首抜きの着物という粋な姿で大月が登場。オリジナル歌詩を付けた「都都逸」から「木遣りくずし」を歌唱し、第一景・日本調の世界の幕開けを飾った。
「昭和100年、改めて日本の歌謡曲の歴史を振り返り、久々に俗曲の粋な世界をお届けします」と語り、続いて「奴さん」、そして民謡の世界、「木曽節(長野民謡)」「おこさ節(秋田民謡)」「おはら節(鹿児島民謡)」を披露し、歌手生活61年の大月みやこならではの世界観で<第一景>を締めくくった。

一転、純白のドレスに衣装チェンジした<第二景>のテーマは「モダンな歌謡曲の世界」。ラジオドラマとして一世を風靡した名作「君の名は」でスタート。戦後、厳しい生活を生きる人々の一縷の希望となったモダンな歌謡曲の数々から「東京の屋根の下」(S24年)、「或る雨の午后」(S14年)、「胸の振子」(S22年)、「君待てども」(S23年)をムード溢れる歌唱で会場を魅了した。そして第二景の締め括り、1936年(S11年)に発表された日本歌謡曲の金字塔、藤山一郎の「東京ラプソディ」を披露、会場からは「みやこ!」と掛け声も入り、和やかに<第二景>を終えた。

<第三景>の「歌と台詞で綴る歌謡曲」では、デビューした昭和39年の春、大阪駅に見送りに来てくれた人々に、いつの日か夢を鞄一杯に詰め込んで、故郷に戻れるように・・・そんな思いを重ねた「愛の始発」(1988年発売アルバム「おんな・旅路をうたう」収録曲)を思い起こすように歌唱。
そして、2021年8月発売、台詞と歌と台詞で綴る十篇の物語、アルバム「橋ものがたり…十抄」の中から「ひゅるひゅる橋」「戻り橋暮色」「くらやみ橋から」をまるで情景が浮かぶ大阪言葉の台詞とともに披露。舞台には、橋を模したオブジェも効果的で、平成元年(1989年)から20年間、座長公演を務め、お芝居の分野でも平成4年(1992年)文化庁芸術祭賞を受賞した、抜群の表現力と貫禄で、会場を圧倒した。

<第四景>は、オリジナルヒット曲のコーナー、ギターの弾き語り風で名曲「女の港」でスタート。
続いて、第34回日本レコード大賞受賞曲「白い海峡」、平成8年(1996年)新宿コマ劇場「夢千代日記」主題歌「夢日記」、1986年発売アルバム「女の海峡物語」から「豊予海峡」など代表曲を一気に歌い上げた。
年齢を重ねた今だからこそ、聴いてくださったお客様に感じ取っていただける声がある。「今の声を感じてもらえたらうれしい」と語り、ムードある最新曲「恋の終止符(ピリオド)」を披露した。
最後に「次の約束が出来ないような年齢になって来ました、でも皆さんから若い!キレイ!と言っていただけて…もう少しだけ歌っていけそうな、そんな気がします」と語り、仰々しいお別れではなく、さりげなく手を振って…とコンサート最後の定番バラード「さよならにかえて」を優しい響きで歌唱し、会場が一つになり、まるで一本の映画を観終えたような大きな余韻を残し大盛況で幕を閉じた。

「大月みやこ コンサート~このひと時 今もあなたと~ 感謝を込めて…」セットリスト

OPENING(三味線・太鼓演奏)
<第一景> ‐俗曲(端唄・小唄) 民謡の世界‐
M-1 「都都逸」
M-2 「木遣りくずし」
M-3 「奴さん」~
M-4 ~「木曽節」(長野県民謡)~「おこさ節」(秋田県民謡)~「おはら節」(鹿児島県民謡)

<第二景> -昭和100年 モダンな歌謡曲の世界-
M-5 「君の名は」
M-6 メドレー
➀「東京の屋根の下」➁「或る雨の午后」➂「胸の振子」➃「君待てども」
M-7 「東京ラプソディ」

<第三景> -歌と台詞で綴る歌謡曲-
M-8 「愛の始発」
~橋ものがたりより~
M-9 「ひゅるひゅる橋」
M-10 「戻り橋暮色」
M-11 「くらやみ橋から」

<第四景>  -オリジナルヒット曲-
M-12 「女の港」
M-13 「白い海峡」
M-14「夢日記」
M-15 「豊予海峡」
M-16 「恋の終止符(ピリオド)」
M-17 「女の駅」
アンコール:「さよならにかえて」

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