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日本のピアノ界の宝 野島稔、 驚嘆のベートーヴェン・ライヴが日の目を見た

情熱大陸が密着取材したことでも話題となったピアニスト・藤田真央らを育てるなど、教育面でも日本の音楽文化に貢献した、ピアニスト・野島稔。2022年5月に76歳で逝去した彼の芸術を堪能できる追悼アルバム「野島稔 ベートーヴェン・ライヴ」が登場。

野島は録音嫌いだったこともあり、その偉業が広く伝わっているとは言い難いのが実情だ。1969年の第3回ヴァン・クライバーン・コンクールで第2位に入賞、晩年は東京音楽大学の学長を務め、チャイコフスキー国際コンクール第2位で世界の注目を集めているピアニスト・藤田真央らを育てるなど、後進の育成にも意欲を燃やし、日本の音楽文化に大きく貢献。

曲は十八番のベートーヴェン。1989年録音のピアノ協奏曲第5番「皇帝」はベートーヴェンのピアノ協奏曲の中でも人気の作品。野島の水晶のようにクリアなピアノとゆるぎない構成力に、巨匠・山田一雄の指揮するオーケストラの熱い推進力があいまって、見事な世界を作り上げている。2008年のリサイタルで演奏したソナタはより深みを湛え、何の奇も衒わずに滋味あふれる語りで感動させてくれる。いずれもライヴながら、永久に留めておくべき日本のピアノの宝というべき演奏となっている。

リリース情報

【タイトル】「野島稔 ベートーヴェン・ライヴ」(2CD)
【演奏者】野島稔(ピアノ)/山田一雄(指揮)、札幌交響楽団
【発売日】2023年3月20日
【品番】KKC-095 (2CD) /KING INTERNATIONAL
【価格】オープン価格
https://www.kinginternational.co.jp/genre/kkc-095-6/


[Disc 1]
ベートーヴェン:
ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調Op.73「皇帝」
ピアノ・ソナタ 第19番 ト短調Op.49の1
[Disc 2]
ピアノ・ソナタ 第11番 変ロ長調Op.22
ピアノ・ソナタ 第13番 変ホ長調Op.27の1
ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調Op.111

演奏者:野島稔(ピアノ)/山田一雄(指揮)、札幌交響楽団
録音:1989年11月20日 北海道厚生年金会館大ホール(協奏曲)
2008年11月1日 厚木市文化会館小ホール(ソナタ)
※ライヴ収録 [STEREO]

野島稔(ピアノ)

1945年横須賀市生まれ。3歳からピアノを始め、桐朋高校、大学、ソビエト留学まで井口愛子女史に師事した。高校3年の1963年、第32回日本音楽コンクール第1位大賞受賞。1966年ソビエト文化省の招きでモスクワ音楽院に留学、レフ・オボーリン氏に師事した。1968年海外派遣コンクールに優勝、1969年第3回ヴァン・クライヴァーン国際ピアノコンクール第2位入賞。
翌1970年ニューヨークのカーネギー・ホールでデビューリサイタルを開き大成功を収め、ニューヨーク・タイムズなどで高く評価された。以来、ニューヨークと東京を本拠に、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの各地でリサイタル、オーケストラとの共演、室内楽などを行なっている。
日本を代表する国際的ピアニストとして、NHK交響楽団をはじめとする日本の主要オーケストラとの共演は数え切れない。また、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、NHK交響楽団、東京都交響楽団など、各オーケストラの海外公演にも度々ソリストとして同行し絶賛されている。
モスクワとレニングラードで松村禎三のピアノ協奏曲第2番を演奏し、最大の賛辞を集めた。その後、サントリーホールにてリサイタル 「野島稔・プレイズ・ラヴェル」 を行ない、「近来稀に見る最高級の演奏」、「奇跡的な技術と磨きぬかれた音楽性の円熟の極地」 などと絶賛を博した。その後も、ロンドン・BBC交響楽団、 ミュンヘン・フィルなどと共演するほか、内外の多くのオーケストラから招かれ高い評価を得ている。2006年からは、地元・横須賀芸術劇場にて、「野島稔・ピアノコンクール」をスタート、自ら審査委員長を務め、後進の育成にも意欲を燃やした。 2014年5月、国内外における正統派ピアニストとしての演奏活動及び後進の育成に対し『平成25年度(第70回)日本芸術院賞』を受賞。
東京音楽大学学長、桐朋学園大学院大学特任教授を務め後進の育成にも努めた。2022年5月9日に76歳で歿。

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