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アメリカン・ニューシネマの枠を超えた雄篇『バニシング・ポイント』4K デジタルリマスターで50年ぶりの爆走再公開

バニシング・ポイント本ビジュアル

ベトナム戦争渦中のアメリカの衝撃的実態を映し出して60年代に終わりを告げた『イージー★ライダー』から2年、すでにこの国は終わっているという諦念をもって70年代という新しい時代を切り開いた映画『バニシング・ポイント』。60年代末から70年代半ばにかけ、アメリカ映画界を根底から揺るがした<アメリカン・ニューシネマ>を代表する一作だ。コロラド州デンバーからサンフランシスコまでの2,000キロを、15時間不眠不休で走り切るという、スピードにすべてを賭けた男コワルスキーの姿を、体制も反体制も超越した乾ききった精神性で鮮烈に描く。既存の体制や文化への反抗、現実に敗北する主人公の姿を描いた多くのニューシネマとは一線を画し、何も求めない主人公の虚無感が全篇を貫いている。そして、壮絶なカー・チェイスと高鳴るロックのなか、コワルスキーの不条理なまでの逃走劇は、観る者をかつて辿り着いたことのない次元にまで導いていく。

消失点の彼方に、地上最後の<自由の魂>が解き放たれる──。今回解禁されたメインビジュアルでは、そんなキャッチコピーと共に、放射状の中心点に主人公コワルスキーが乗りこむ70年型ダッジ・チャレンジャーが据えられ、異空間/異次元への疾走を思わせる、どのジャンルにも括りがたい本作の魅力があらわれたものとなっている。

合わせて解禁となった予告編では、カー・アクション映画の頂点とも言われる理由も確認できるスピード感溢れるものだ。コワルスキーが各地で出会うインパクトたっぷりな人々、彼を追う警官、アメリカの荒涼とした大地…。セガリーニ&ビショップの「オーヴァー・ミー」と、コワルスキーと精神的感応を繰り広げる人物DJスーパー・ソウルの実況にのせて、次々と印象的なシーンが映し出され、最後にはコワルスキーの意味深な微笑みと、勢いよく走り続けるダッジ・チャレンジャーで締め括られる。

カー・チェイスとアクション、ロックンロールと、まるで<メビウスの輪>のような円環的構造が混じり合う、鮮烈かつ孤高の作品『バニシング・ポイント』。約半世紀ぶりのスクリーンへの帰還は、本作に新たな解釈と評価をもたらす、千載一遇の機会になるはずだ。
『バニシング・ポイント』メインビジュアル

『バニシング・ポイント』本予告編

Story

ベトナム戦争で名誉勲章、元バイクレーサー、元ストックカーレースドライバー、警官を懲戒免職処分となり、いまは⾞の陸送を⽣業にするコワルスキー(バリー・ニューマン)は、デンバーから1200マイル離れた⻄海岸サンフランシスコまで、⽩の70年型ダッジ・チャレンジャーを15時間で届ける賭けをした。交通法規を無視して爆⾛するコワルスキーを追って各州警察が追跡を続ける中、警察無線を傍受した盲⽬の⿊⼈DJスーパー・ソウル(クリーヴォン・リトル)がその様⼦をラジオで実況中継を開始。死の恐怖もいとわず、憑かれたようにハンドルを握るコワルスキーは、⼤勢の野次⾺やメディアが押し寄せる中、ブルドーザー2台によって道路封鎖されたバニシング・ポイント<消失点>に向かい、アクセルを踏み込んでいく・・・。

Cast

出演:バリー・ニューマン、クリーヴォン・リトル、ディーン・ジャガー、ヴィクトリア・メドリン、ポール・コスロ、ギルダ・テクスター、デラニー&ボニー&フレンズ、アンソニー・ジェイムス、セヴァーン・ダーデン、ジョン・エイモス

Director/Staff

監督:リチャード・C・サラフィアン 製作:ノーマン・スペンサー 原案:マルコム・ハート 脚本:ギレルモ・ケイン(ギリェルモ・カブレラ=インファンテ) 撮影:ジョン・A・アロンゾ テーマ曲「バニシング・ポイント」“Nobody Knows”byキム&デイヴ 編集:ステファン・アルンステン スタント・コーディネーター:キャリー・ロフティン、ルー・イライアス

【1971年|アメリカ映画|カラー|99分|ビスタサイズ|モノラル|DCP|キューピッド・プロダクション+20世紀フォックス作品|原題:VANISHING POINT|⽶国公開:1971年3⽉13⽇|⽇本公開:1971年7⽉17⽇】
© 1971 Twentieth Century Fox Film Corporation. Renewed. 1999 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

キングレコード提供 コピアポア・フィルム配給
公式Twitter:@vanipointfilm

Information

2023年3⽉3⽇よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次爆走大公開

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