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ドレスコーズ、最新アルバム『式日散花』全曲レビュー!シングル連続配信に映画出演など…精力的な活動を行ってきた2023年の集大成

9月13日(水)にドレスコーズの9thアルバム『式日散花(しきじつさんか)』がリリースされた。今年2023年、ドレスコーズはシングルを連続で配信したり、対バンライブを行ったり、大型フェスに出演したり…と精力的な楽曲リリースとライブ活動を行ってきた。さらに出演した映画やドラマが公開されたり、ラジオではゲストのみならず、パーソナリティにも挑戦したりするなど、音楽以外のフィールドでの活躍も目立った1年だったのではないだろうか。

そんなドレスコーズ・志磨遼平の2023年の集大成とも言えるアルバム『式日散花』には、今年配信リリースしたシングル「最低なともだち」、「少年セゾン」など全9曲に加え、ボーナストラックとして志磨も出演した映画『零落』の主題歌「ドレミ」が収録されている。

ジャケットは前作『戀愛大全』に引き続き、漫画家の不吉霊二によるイラスト描き下ろし。通常盤には映画監督の山戸結希が手掛けたMUSIC VIDEO 3作品を収録したBlu-rayが付属されており(初回限定盤には2022年に東京・恵比寿ザ・ガーデンホールにて行われたワンマンライブ「12月21日のドレスコーズ」の78分を超える大ボリュームの映像を収録)、まさに最新のドレスコーズを耳と目で感じることができる作品に仕上がっている。

そんなドレスコーズの今がぎっしりと詰まった、そしてドレスコーズの未来をも感じさせてくれるようなニューアルバム『式日散花』の全曲レビューをお届けしたい。ちなみに全10曲すべて作詞・作曲を志磨遼平が手がけている。

M1「ラブ、アゲイン」
イントロなしで、「さよならと きみがつぶやいた」という歌詞から始まるオープニングを飾るナンバー。アルバム1曲目の歌い出しからハッとさせられるのだが、Aメロからサビまで、日本語の歌詞が気持ち良いくらいにメロディと合わさって聞こえてくる、まさに、ドレスコーズの真骨頂とも言うべき1曲だ。
しかも、3分1秒カットアウトという短い尺で、心地良い風のように駆け抜けていき、「ラブ、アゲイン」という歌詞で締めくくるこの曲は、アルバム全体の期待値を高めてくれる『式日散花』の始まりに相応しい楽曲となっている。

M2「少年セゾン」

今年の夏に配信リリースされたシングル曲。本人曰く「2023年のNo.1サマーチューン」。モータウン風のベースラインと曲中にも何度も登場する「Yeah!」というかけ声で、夏の到来を感じさせてくれるようなワクワクするイントロが特徴的。ギターの音色からもギラギラとした夏の太陽が感じられる。
今年の夏のBGMとして聴きまくったドレスコーズファンも多かったのではないだろうか。歌詞の中で「七月」を「しちがつ」ではなく「なながつ」と歌うところも何とも志磨らしい。
来年も再来年も、この曲のイントロが流れれば、夏の始まりを実感できる……そんなドレスコーズを代表するような夏曲が誕生した。

M3「若葉のころ」
1996年に放送されていたKinKi Kids主演のTBSドラマ『若葉のころ』と、その主題歌だったビー・ジーズの「若葉のころ」からインスパイアされたという1曲。曲調自体は、ビー・ジーズのそれとは異なり、アップテンポに展開してゆく。サビで繰り返される「かえろう マリ かえろう マリ」というフレーズが印象的だ。
今回のアルバム『式日散花』は、ど頭の3曲がすべてカットアウトで終わるアップテンポなナンバーというのも大きな特徴。そして、この3曲を経てアルバムの象徴とも言える次のリード曲へと繋がっていく。

M4「襲撃」

4曲目がこのアルバムのリード曲だ。サビの頭に漢字2文字の「襲撃」という歌詞を持ってきて、それをそのままタイトルにしているところが、いかにもドレスコーズらしい。しかも、この曲をリード曲に選ぶあたりに今のドレスコーズの矜持、強い意志や熱量が感じられる。
かき鳴らされたギターにドラムが加わり、シンセが加わっていくイントロからの展開には胸を躍らされる。そして、サビの「襲撃」のフレーズで一気に開放される爽快感。まさにアルバムの中でもハイライトとなるような1曲だが、これから行われるライブツアーの中でもハイライトとなることは間違いないだろう。
また、山戸結希監督が手掛けたMUSIC VIDEOも合わせて見て欲しいところ。「最低なともだち」、「少年セゾン」に続くMV3部作の完結編。相思相愛である2人の信頼関係があるからこそ成立した、ドレスコーズの映像世界を是非味わってみてほしい。

M5「メルシー、メルシー」
4曲目の「襲撃」がフェイドアウトでゆっくり終わっていくと、そのままスーっと寄り添うように始まるやさしい1曲。ビートルズの「ミッシェル」、「ユア・マザー・シュッド・ノウ」や原田真二の「キャンディ」といった名曲を彷彿させるようなスローなナンバーだ。
激しい曲のみならず、このような物悲しいスローナンバーで語りかけるように歌う志磨の歌声もドレスコーズの魅力のひとつ。歌詞の中では6月の雨を歌っているが、これからの秋の夜長にもぴったりな1曲だ。ライブでも中盤で映えるような楽曲になることだろう。

M6「最低なともだち」

今年5月に配信リリースされたシングル曲。イントロなしの歌始まり、冒頭ですぐに出てくる「最低なともだちで いいから」というフレーズが鮮烈に印象に残る。そして、最後のサビの転調が、この曲をさらにドラマチックに印象付けている。
本人曰く「誰からも頼まれていないのに、ドラマの主題歌になりそうな曲を作った」のだとか。
この曲も是非、山戸監督のMUSIC VIDEOにも注目して欲しい。男子学生2が登場し、野島伸司のドラマを想起させるような世界観の作品に仕上がっているので、この曲の魅力がより一層伝わることだろう。
ちなみに、この曲は10月7日からBSテレ東にて放送されるドラマ『たそがれ優作』の主題歌に決定している。実際のドラマの映像と合わさると、この曲がどのような聴こえ方になるのか期待が高まる。

M7「在東京少年」
タイトルは「ざいとうきょうしょうねん」と読む。どこか懐かしさを覚えるディスコソング。東京という街への憧れを歌っている。ライブでは、この曲でミラーボールが回り、盛り上がりを見せることだろう。
ディスコサウンドに乗せて、「ざいとうきょうボーイ」と繰り返し歌われるのが印象的なのだが、サウンドからはロキシー・ミュージックやブライアン・フェリーといったアーティストへのオマージュも感じられる1曲だ。

M8「罪罪」
「罪を重ねる」という意味も込めて、罪という漢字を2つ並べて、「つみつみ」と読む。志磨の言葉遊びが秀逸である。イントロから一貫して、80年代後半~90年代前半の古き良きJ-POPの影響が感じられるような曲調が特徴。まさに邦楽がJ-POPと呼ばれ始めたころに、ヒットチャートに並んでいたような懐かしい楽曲のイメージだ。
この曲は間奏でハーモニカが加わることで、さらに切なさが増している。これはハーモニカ奏者・倉井夏樹によるもの。是非、間奏のハーモニカはライブでも再現して欲しい

M9「式日」

そして、アルバムのラストを飾る1曲は、アルバム全体を象徴するような、アルバムのコンセプトともいえるようなナンバー。美しいピアノのイントロが印象的で、さらには咽び泣くような音色とフレーズの間奏のギターソロもこの曲を印象付けている。
また、曲終わりに1分近く続くアウトロのギタープレイも圧巻。最後にこの曲にたどり着いた時に、「あぁ、本当に良いアルバムだったな」と噛みしめることが出来るような壮大なナンバーだ。ライブの後半で耳にすれば思わず涙してしまいそうな展開になっている。

bonus track「ドレミ」

この曲は、原作・浅野いにお、監督・竹中直人、主演・斎藤工の映画『零落』の主題歌。今年3月に公開されたこの映画には、志磨も役者として出演を果たした。
ボーナストラックではあるのだが、1曲目から連続して聴いていると『式日散花』という作品のアンコールのようにも聴こえてくるから不思議である。
この曲でも、「ド・レ・ミ」を「ドント・レット・ミー・ダウン」に置き換えるなど、志磨の独特な言葉遊びが見られる。そして「式日」の後にこの曲を聴くと、後半の「さよなら どうもありがとう」というフレーズにもグッとくるものがあるだろう。

このほか「最低なともだち」、「少年セゾン」、「襲撃」の3曲にまつわる志磨遼平と山戸結希監督の特別対談が公開中。楽曲に込めた志磨の想いを、監督として山戸はどのように映像に描いたのか。また、映像となった3曲を志磨はどのように見たのか。2人のアーティストによる感性の触れ合う瞬間は必見だ。

そして、ドレスコーズはこのアルバムを携えて10月から全国7ヶ所を回るワンマンライブツアーを開始する。10月9日(月・祝)の宮城から始まり、ファイナルは、10月31日(火)の東京ZeppDiverCity。『式日散花』の曲たちがライブツアーを経てどのように昇華していくのか、過去の曲達とどのように交わっていくのか…。アルバムを聴き込んだら、次はライブハウスで生の『式日散花』を体感してみて欲しい。

Information

ドレスコーズ 9thアルバム『式日散花(しきじつさんか)』 9月13日発売

<初回限定盤>
[価格]¥7,480(税抜価格¥6,800)
[形態]CD+Blu-ray
[品番]KIZC-90731~2
[Blu-ray収録内容]
「12月21日のドレスコーズ」ライブ映像

<通常盤>
[価格]¥3,850(税抜価格¥3,500)
[形態]CD+Blu-ray
[品番]KIZC-733~4
[Blu-ray収録内容]
・「最低なともだち」MUSIC VIDEO
・「少年セゾン」MUSIC VIDEO
・「襲撃」MUSIC VIDEO

[収録内容]※初回限定盤・通常盤共通
M1:ラブ、アゲイン
M2:少年セゾン
M3:若葉のころ
M4:襲撃
M5:メルシー、メルシー
M6:最低なともだち
M7:在東京少年
M8:罪罪
M9:式日
bonus track:ドレミ

購入はこちら
https://dress.lnk.to/9thCD

ダウンロード・ストリーミングはこちら
https://dress.lnk.to/syuu

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