【ELECTRIC BIRD】TREASURE ISLAND vol.4
日本を代表するジャズ/フュージョン創世記の最重要レーベル「Electric Bird (エレクトリック・バード)」 。“世界に通用するフュージョン・レーベルを!”を掲げて、70年代後半にキングレコードから誕生したレーベルであり、当時、担当プロデューサーの采配により、日本主導で日本、そしてニューヨークの著名かつ魅力的なアーティストを次々と輩出し、最先端のフュージョン・サウンドで世界をアッと驚かせ、音楽界で「日本にエレクトリック・バードあり」と注目を得たのである。
エレクトリック・バードの膨大なカタログが、今年2022年10月26日と11月9日、2回に分けて合計52タイトル、サブスク、ダウンロード配信、ハイレゾ配信されることが決定した!
エレクトリック・バード・プロデューサー(1977年~1989年)Sep. 2022 川島重行コメント
邦洋問わずエレクトリック・バード・レーベルに関わった様々なミュージシャンにスポットを当てて行くこのコラム。第4回目は、70年代の日本のロック界に多大なる影響を及ぼした、伝説のプログレッシブ/サイケデリック・ロック・バンド、「四人囃子」、そしてフュージョン・バンド「プリズム(PRISM)」のメンバーでもある、森園勝敏の登場である。エレクトリック・バード創成期より合計5作のアルバムを残しているが、何れ劣らぬ名盤として歴史に名を刻んでいる。
森園勝敏「バッド・アニマ」
伝説のバンド、四人囃子やプリズムで活躍したギタリスト、森園勝敏のファーストソロ作品。 エレクトリック・バード・レーベルの持つ”ジャズ/フュージョン志向”というカラーから、より柔軟にロック、AORな感覚を想起させるサウンドを聴かせてくれる名作である。カバー楽曲の選曲も絶妙である。ブライアン・オーガー”You’ll Stay In My Heart”、ジェイムス・ヴィンセント”Space Traveler”、ブッカー・T&ザ・MG’s” Last Tango In Memphis”となかなか玄人好みなカバーセンス。一方で骨太なギターのトーンが未来都市を空中ドライブしているような高揚感を感じさせてくれる森園のオリジナル楽曲”ハイタイド”、とバラエティに富んだ内容となっている。
録音:King Records Studio, 14~30 oct. 1978(オリジナル発売:1978年)
<パーソネル> 森園勝敏(el.g,ac.g,vo,他)/久米大作(ac.p,el.p,,他)/中村哲(ts,ac.p,他)/伊藤幸毅(mini moog,polyphonic syn,他)/秋元良一(el.b)/小原礼(el.b)/相良宗男(ds,perc)/村上“ポンタ”秀一(ds,syn.ds)/マック清水(perc)/他
再生はこちら:lnk.to/Y0zNmNo6
森園勝敏「クール・アレイ」
ジム・ケルトナー、ハーヴィー・ニューマーク、ラリー・ネクテルら、名うての西海岸ミュージシャンをリズム・セクションに迎えた森園勝敏のL.Aレコーディング作品。 序曲のような”雷神”で幕を開ける本作。カバー楽曲のセンスも秀逸で、アティテューズ”Promise Me the Moon”、 ウォーレン・ジヴォン” Night Time In The Switching Yard”、そしてウェット・ウィリー“Everybody’s Stoned”では森園のセクシーなヴォーカルも含めて独自の世界観が表現されている。
録音:KENDUN RECORDERS, Burbank, California (June 4 thru June 14 1979)(オリジナル発売:1979年)
<パーソネル> 森園勝敏(el.g,vo)/ジム・ケルトナー(ds)/中村哲(fender rhodes,他)/ ラリー・ネクテル(ac.p)/ハーヴィー・ニューマーク(f.b)/マック清水(perc)/中村裕美子(back vo)/チャック・フィンドレイ(tp)/オリー・ミッシェル(tp)/他
再生はこちら:lnk.to/ZpPoFOvQ
森園勝敏ウィズ・バーズ・アイ・ヴュー「エスケープ」
森園勝敏が自身のサポート・グループ、バーズ・アイ・ヴューのメンバーたちと作った初作でポップ・ロック・アルバム。
スタートからベン・シドランのカバー楽曲”The Cadillac Kid”で始まる。オリジナル楽曲” サム・カインド・オブ・ラヴ”、“アンタイトルド・ラヴ・ソング”で森園のセクシーなヴォーカルを聴くことができる。
録音:Kitty Studio, Mar. 11-17 & King Records Studio, Mar.31-April 5, 1980(オリジナル発売:1980年)
<パーソネル> 森園勝敏(el.g,vo)/中村哲(key,ts,as)/白尾泰久(saxes)/秋元良一(el.b)/鈴木徹(ds)/相良宗男(ds)/マック清水(perc)/中村裕美子(back vo)/加藤高志とストリング・アンサンブル
再生はこちら:lnk.to/1epXXIDb
森園勝敏ウィズ・バーズ・アイ・ヴュー「スピリッツ」
序盤から“恋にお手あげ”、”とどかぬ想い”、アッパー~ミドルテンポで印象的な名曲の連続。そこに森園がソウルフルかつセクシーなボーカルを披露。”イマジェリィ”では親指ピアノ、木琴を駆使し、クラウトロックのような実験的なサウンドを創出。ラストにこれまた粋なシティポップ的名曲” ラブ・イン・ア・CAN”で締めくくる。全編にわたり良質なロック~ポップ/フュージョン・サウンドの魅力で溢れている。引き続き”バーズ・アイ・ヴュー”を率いた全楽曲森園のソングライティングによる作品。
録音:King Records Studio, Feb.- Apr. 1981(オリジナル発売:1981年)
<パーソネル> 森園勝敏(el.g, el.b, perc, kalimba, marimba, vo)/中村哲(el.p, ac.p, mini moog, prophet 5, hammond org, ts)/秋元良一(el.b)/相良宗男(ds)/マック清水(perc)/ジェイダ(back vo):M-1, 2, 8 スージー・キム、舘野江里子、菊谷淳子
再生はこちら:lnk.to/eERPfPcN
森園勝敏「ジャスト・ナウ・アンド・ゼン」
森園勝敏のエレクトリック・バードにおけるラスト・レコーディング作品である。
スペンサー・デイヴィス・グループのカバー”Gimme Some Lovin’”で幕を開ける。作品のほとんどは、前々作「エスケープ」、前作「スピリッツ」 の再演楽曲で構成されているが、ビートルズのカバー”Paperback Writer”を独自の咀嚼で表現していて興味深い。
録音:King Records Studio & Kitty Studio 1982(オリジナル発売:1982年)
<パーソネル> 森園勝敏(el.g, vo)/ 野力奏一(el.p, ac.p, prophet 5, mini moog)/伊藤広規(el.b)/青山純(ds)/マック清水(perc)/茂木由多加(syn & computer)/鈴木徹(ds)/ スージー・キム(vo)/中村哲(el.p, ac.p, ts, mini moog, prophet 5, hammond org)/秋元良一(el.b)/相良宗男(ds)/ジェイダ(back vo)/白尾泰久(as)
再生はこちら:lnk.to/eMbMFOcl
■ELECTRIC BIRD PLAYLIST BY KING RECORDS
■ELECTRIC BIRD PLAYLIST BY YOSHIAKI MASUO
■ELECTRIC BIRD PLAYLIST BY TOSHIKAZU KANAZAWA